世界10都市の月別平均気温を「年(LEVEL)」で比較して分かること
この記事でできること
桜チャートで月(1〜12)× 気温(℃)を折れ線グラフにし、LEVEL(年)で色分けして重ねると、 「季節の形」や「年ごとのズレ」が直感的に見えるようになります。
- 横軸:
月 - 縦軸:各都市の気温列(東京、ニューヨーク、…)
- 色分け(LEVEL):
LEVEL(1980 / 1990 / 2000 / 2010 / 2020)
※本記事のサンプルCSVは説明用の疑似データです。実データで検証する場合は、気象機関や気候データベースの月別平均気温に置き換えてください。
サンプルCSV(ワイド形式)
ご要望の形式(月 + 都市列 + LEVEL)で、10年おき・5年分に揃えています。 まずはこのCSVで動作確認 → その後、実データへ差し替えるのがおすすめです。
桜チャートでの設定
- グラフ種類:折れ線グラフ
- X軸:
月 - Y軸:都市列(最初は2〜4都市に絞ると見やすい)
- LEVEL:
LEVEL
作成したグラフ(例)
下の画像は、同じCSVから作った「折れ線(color by LEVEL)」と「箱ひげ図(by LEVEL)」の例です。
※サイトに配置する場合は、画像を static 配下に置いて、src を差し替えてください(本文末に手順あり)。
折れ線(各都市:月 vs 気温 / color by LEVEL)
箱ひげ図(各都市:分布をLEVELごとに比較)
考察1:シドニー/サンパウロが「反転」して見える理由
折れ線を見ると、東京やニューヨークは7〜8月がピークですが、シドニーやサンパウロは1〜2月がピークになります。 これはデータミスではなく、南半球にあるため季節が北半球と逆(約半年ズレ)だからです。
- 北半球:6〜8月が夏、12〜2月が冬
- 南半球:12〜2月が夏、6〜8月が冬
「月別の形が反転する」という現象が、折れ線の重ね描きで一瞬で分かります。
考察2:シンガポールだけ “年ごとのギャップ” が大きく見える理由
今回の結果では、他都市はLEVEL(年)ごとの差が比較的小さいのに対して、シンガポールは年ごとの線のズレ(ギャップ)が目立つように見えます。 ここは「データの性質」と「気候の性質」を分けて考えるのがポイントです。
A) まず確認したい:ギャップの原因が “データ” か “気候” か
一番確実なのは、CSVのシンガポール列について、LEVELごとの平均(または中央値)を計算してみることです。 LEVELごとに全月が同じ方向に持ち上がっているなら「年オフセット(全体が上がる/下がる)」の影響、 特定の月だけズレているなら「季節要因(雲量・降水・海面水温など)」の影響が疑われます。
B) “実データ” で起こりうる理由(候補)
- 都市化(ヒートアイランド):観測点周辺の都市化が進むと、年平均との差が出やすい
- 海洋の影響:赤道付近は海面水温・雲量の年変動が効きやすい
- ENSO(エルニーニョ/ラニーニャ)の年差:特定年の気温が押し上げ/押し下げられる
どれが主因かは「実データ」と「観測点の条件」がないと断定できません。この記事の役割は、グラフから違和感を発見して、検証の入口を作ることです。
考察3:温暖化は本当に起きている?(このグラフで“見えにくい”理由)
折れ線や箱ひげ図では、LEVELが新しいほど少し上にズレて見える都市もありますが、 「一目で右肩上がり!」とは言いにくいと思います。これは温暖化が起きていないという意味ではなく、 この可視化が“温暖化の検出に不利”なだけです。
- 季節差(夏冬)は 10〜30℃ と大きい
- 10年スケールの変化は 0.x℃ 程度のことが多く、季節差に埋もれやすい
- 月平均は極端値(猛暑日など)をならしてしまう
温暖化を「もっとはっきり」見せたいなら、次の見せ方が有効です。
- 年平均気温(1年=1点)で折れ線にする
- 各月の平均との差(アノマリー)に変換して表示する
- 回帰直線を追加して傾向を示す