桜チャート(Sakura Chart)

CSV を貼り付けるだけで、統計グラフを自動生成できる無料ウェブツール

経済産業省「鉱工業指数(IIP)」をExcelで取得して、業種別の動きを一気に可視化してみた

この記事でやること

経済産業省が公開している 鉱工業指数(IIP) のExcelをダウンロードして、 桜チャートで 月次の推移(trend line) を描きました。 「鉱工業・製造工業」といった全体指標だけでなく、 鉄鋼業/熱間圧延鋼材/冷間仕上鋼材/鋼管/めっき鋼材/鋳鍛造品 など、 “現場に近い系列”まで並べると、同じ時期でも揺れ方が全然違うのが見えて面白いです。

  • 横軸:年月(月次)
  • 縦軸:鉱工業 / 製造工業 / 鉄鋼・非鉄金属工業 / 鉄鋼業 / 鋼管 / めっき鋼材 …など
  • グラフ:trend line(折れ線)

※この記事は「データ可視化のやり方」と「グラフから読み取れる傾向」に焦点を当てています。
指数の厳密な解釈は、系列の定義(季節調整の有無、対象範囲、基準年など)に依存します。

データ入手先(公式)

今回使用したのは、経済産業省が公開している鉱工業指数のExcelです。 まずはここから取得できます。

可視化でつまずきやすいポイント(公式の注意事項を“使える形”にまとめ)

IIPのExcelはとてもありがたい反面、表記ルールや欠損表現が独特です。 ここを先に押さえると、桜チャートに入れるときに迷いません。

  • 利用上の注意も併せて確認: 公開ページ側の「利用上の注意」も一緒に読むのがおすすめです。
  • 2017年12月以前のデータ: 2017年12月以前については、掲載されている 接続指数 の利用が案内されています。
    接続指数は、過去の基準の指数を 便宜的に2020年基準指数と比較できるよう調整したものです。
  • 年月の表記ルール(Excel側)
    • 月次:西暦4桁+月2桁(例:2025年10月 → 2025102026年1月 → 202601
    • 四半期:YYYYQ1YYYYQ4(Q1=1〜3月、Q2=4〜6月、Q3=7〜9月、Q4=10〜12月)
    • 年(暦年):YYYYCY
    • 年度:YYYYFY(例:2025年度=2025年4月〜2026年3月)

    今回の記事のサンプルは、桜チャートに入れやすいように 2018/1/1 のような形式に整形しています。
    Excelが 202510 形式の場合は、YYYY/MM/1 に変換すると扱いやすいです。

  • 速報値(P): 年月の左に P が表示されている場合は 速報値です。
  • X / *** の意味
    • 対象事業所が1〜2事業所等の場合、秘密保護のため 「X」(旧ファイルでは「-」)になることがあります
    • 指数を作成していない場合は 「***」(旧ファイルではブランク)になることがあります

    桜チャートに入れるときは、X*** は欠損として扱うのが安全です(列全体が文字列扱いになるのを避けるため)。

  • 鉱工業指数に利用している主な所管外データ(例): 農林水産省「牛乳乳製品統計調査」「油糧生産実績調査」、国土交通省「造船造機統計調査」「鉄道車両等生産動態統計調査」など。
  • 年間公表予定: 年間の公表スケジュール(別ウインドウ)も案内されています。更新のタイミングを追う場合に便利です。

作成したグラフ(例)

下の画像は、同じデータを列ごとに切り替えて「小分割」で並べた例です。

鉱工業指数(IIP) 業種別トレンド(小分割)

グラフで見えてきたこと(実データの“読みどころ”)

1) 2020年春の急落は、ほぼ全系列に同時に出る

2018〜2025の推移でまず目立つのは、2020年4〜6月の急落です。 例えば 製造工業 は 2020/3 の 116.5 から、2020/5 には 80 まで落ちています。 鉄鋼系も同じタイミングで沈み、特に 鋳鍛造品 は 2020/5 に 57.7 とかなり大きく落ちています。

同じ時期にほぼ全系列が一斉に沈むのは、「個別要因」より「全体ショック」が強かったサインとして読みやすいです。

2) “戻り方”が系列ごとに違う。素材〜加工で表情が変わる

2020年後半〜2021年にかけては回復していきますが、戻りの速さ・その後の強さが系列で違います。 例として、2021/3 は 鉱工業 120.1、製造工業 120.2 と大きく持ち直しています。 一方で、鉄鋼関連の中でも 鋼管 は 2024〜2025にかけて水準が低めに出やすく、 “同じ鉄鋼でも、需要先や用途で波の出方が違う” という感じが、折れ線だと直感的に伝わります。

3) “全体(鉱工業・製造工業)”と“個別(めっき鋼材など)”を並べると解像度が上がる

全体指標が横ばいに見える期間でも、細かい系列は上がったり下がったりします。 例えば、めっき鋼材 は 2020年の底から回復した後も、 月によって 90台〜110台のレンジで動いており、季節性や需要の波が見えてきます。 「全体の景気感」だけでは見落としがちな動きを拾えるのが、小分割で並べる強みです。

桜チャートでの再現手順(最短)

  1. 上の公式リンクからExcelをダウンロード
  2. 欲しい表(月次)を見つける
  3. 年月 列と、可視化したい列(例:鉱工業製造工業鉄鋼業…)をコピー
  4. 桜チャートに貼り付け
  5. graph type を trend line にして描画
  6. 列を切り替えながらPNG保存(小分割の一覧を作る)

データに X*** が混ざっていたら、その行は削除するか、欠損として扱ってください。 文字が混ざると数値列として読めず、グラフが崩れることがあります。

実データサンプル(そのまま貼って動く形式)

以下は、あなたが提示してくれた実データです(年月 + 指標列が横に並ぶ形式)。 まずはこれを貼って、列を切り替えながら同じグラフを再現できます。

次におすすめ:同じデータで“見せ方”を変える

  • 全体→個別の順で見る(鉱工業・製造工業 → 鉄鋼・非鉄 → 鋼管・めっき鋼材…)
  • 2020年の底(例:2020/5)を中心に、落ち幅戻りを比べる
  • 鋳鍛造品 のように振れが大きい系列は、受注の波として読むと面白い

「同じ時期に起きたこと」を、系列ごとに並べて見るだけで、 ニュースよりも“現場の温度感”に近い形で眺められるのが、指数×可視化の良さだと思いました。

桜チャートで試してみる