1. 複合グラフとは?
複合グラフ(組み合わせグラフ)は、棒グラフと折れ線グラフなど、異なる表現を1枚の図に重ねたグラフです。 数量と割合のように、単位や値の大きさが異なる2種類のデータを同じ横軸で見比べたいときに使います。
例えば「月別売上」と「利益率」を別々のグラフにすると、2枚を行き来しながら変化を確認しなければなりません。 売上を棒、利益率を折れ線で重ねれば、売上が伸びた月に利益率も上がったのかを1枚で確認できます。
桜チャートの「組み合わせグラフ」では、系列ごとに棒/折れ線、主軸/第2軸、色を選択できます。
2. 複合グラフが向いているデータ
複合グラフは、同じ期間やカテゴリーについて測った複数の指標を、関係づけて見たいときに便利です。
| 棒グラフにする値 | 折れ線グラフにする値 | 確認できること |
|---|---|---|
| 売上金額 | 利益率 | 売上の増減と収益性の関係 |
| 生産数量 | 歩留まり | 増産時に品質が維持できているか |
| 広告費 | コンバージョン率 | 投資額と成果率の変化 |
| 降水量 | 平均気温 | 同じ月の気象条件の重なり |
| 検査件数 | 不良率 | 件数と不良発生割合の関係 |
一方、単位も値の範囲も近い系列なら、第2軸を使わず、同じ軸に複数の折れ線や棒を描く方が比較しやすい場合があります。 「系列が2つあるから第2軸を使う」のではなく、同じ軸では片方の変化が読めないときに限って使うのが基本です。
3. 主軸と第2軸の読み方
第2軸を使う複合グラフには、左右に異なる目盛りがあります。 桜チャートでは左側を主軸、右側を第2軸として設定します。
- 主軸(左):売上、生産数、人数など、棒で量を示す系列に向いています。
- 第2軸(右):割合、率、温度など、主軸と単位が異なる系列に向いています。
- 軸ラベル:「売上(万円)」「利益率(%)」のように、項目名と単位を明記します。
第2軸は便利ですが、左右の最小値・最大値を変えるだけで、2系列が強く連動しているようにも、無関係なようにも見せられます。 誤解を避けるため、軸範囲を調整した場合はその目盛りが読める大きさで表示し、説明なしに極端な範囲へ切り詰めないようにします。
4. データの準備
1列目に共通の横軸、2列目以降に描画したい数値系列を並べます。 Excelやスプレッドシートの表は、そのままコピーして貼り付けられます。
月,売上,利益率 1月,120,12 2月,145,15 3月,138,13 4月,172,18 5月,190,21 6月,205,23
この例では、月をX軸、売上を主軸の棒グラフ、
利益率を第2軸の折れ線グラフにします。
ヘッダーに単位を入れる場合は、売上(万円)や利益率(%)のようにしても構いません。
5. 桜チャートで複合グラフを作る手順
- 組み合わせグラフ作成画面を開きます。
- CSV/TSVデータを貼り付け、「列を読み込む」を押します。
- X軸の列を選びます。上の例なら
月です。 - 使う系列にチェックを入れ、各系列の色、棒/折れ線、主軸/第2軸を選びます。
- 必要に応じてタイトル、左右の軸ラベル、最小値・最大値、罫線、透明度を調整します。
- 「組み合わせグラフを描画」を押し、結果を確認します。
- 問題がなければ「画像を保存」からPNG画像をダウンロードします。
最初の列解析では、数値列の先頭が棒・主軸、次の系列が折れ線・第2軸として自動選択されます。 そのまま使う必要はなく、分析の目的に合わせて系列ごとの設定を変更できます。
6. 見やすく、誤解されにくくするコツ
6-1. 棒と折れ線の役割を分ける
絶対量は棒、率や推移は折れ線にすると、系列の役割を見分けやすくなります。 すべてを同じ形式にすると情報が重なり、逆に読みにくくなることがあります。
6-2. 左右の軸と系列の色を対応させる
系列の色をはっきり分け、凡例と左右の軸ラベルを確認します。 似た色を多用せず、重要な2~3系列に絞ると視線が迷いません。
6-3. 棒グラフの軸は原則0から
棒の長さは値の大きさそのものとして読まれるため、主軸の途中から始めると差が実際より大きく見えます。 特別な理由がない限り、棒に使う軸の最小値は0を基本にします。
6-4. 「似た動き=原因」と決めつけない
2本の系列が同じタイミングで上下しても、それだけで因果関係があるとは限りません。 複合グラフは関係を見つける入口であり、原因を証明するものではない点に注意します。
7. 複合グラフを使わない方がよい場面
- 左右の軸に3種類以上の単位を詰め込まなければならないとき
- 系列が多すぎて、棒や線が重なって判別できないとき
- 2つの指標を直接比較する必要がなく、別々に見せた方が明確なとき
- 軸範囲の選び方によって結論が大きく変わって見えるとき
情報量が多すぎる場合は、グラフを2枚に分けて上下に並べ、X軸だけをそろえる方法も有効です。
8. まとめ
- 複合グラフは、同じX軸を持つ異なる指標を1枚で比較するグラフ
- 量を棒、率や推移を折れ線にすると役割が伝わりやすい
- 単位や値の範囲が違う場合は主軸と第2軸を使い分ける
- 左右の軸ラベルと単位を明記し、軸範囲による誤解を避ける
桜チャートの組み合わせグラフ作成画面では、 データを貼り付け、系列ごとの形式と軸を選ぶだけで複合グラフを作れます。 売上と利益率、生産数と歩留まりなど、手元のデータで試してみてください。